心豊かになる瞬間！

先日から気になっていた私の赤い手提げの針箱。
すでに合板ベニヤが剥れ、かなり無残になっていたので、主人の母が使っていた昔の＜お針箱＞を引張りだしてきて、中のものをすべて取だしきれいに拭いてみた。

表はムクの黒檀？中は桐（金気の釘は一本も使われていず木の釘で止められている）という当時としてはごくごくありふれたものだが、私の合板モノとは違いビクともしていない。
義母の使った指貫や鋏など、放り出した中身を丁寧にひとつひとつ拭きながら仕分けをすると象牙の鈎針やヘラにレトロなボタンがいろいろ入っていて楽しい。

中でも興味をひいたのがこの糸巻き！

大きなものから小さなものまで大きさだけでもすでに驚きものだが、白木に季節の花々の絵を施したものや、きれいな漆塗りのもの、いろんな木の種類でセットにしたものなど、見ていて飽きない。
＜家政科三年　大江　嶋＞と書かれたもので遡ると85年ほど前のものになる。

そんな中に、いっそう小さな糸巻きに「安芸の宮島」と書かれ、海を隔てたあの宮島の景色が描かれているものを見つけた。どうやらお土産物らしいが、この糸巻きがお土産ものとして普通にあった・・・と想像すると不思議な気もする。が、それだけお針仕事は普通の生活になくてはならないものだったのだと思いを馳せた。

100年も満たない間に、家庭生活の中でのこのお針仕事はほとんどなくなり、今ではボタン付けと裾上げくらいしか用を足さないお針箱になってしまったが、私の当たり前の生活の中で大事に使ってみようとリビングに置いた。

　　　　
　
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ルプママのあんなこと！こんなこと！

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