不思議な文通・・・

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■キッチンは私のgallery■アーユルヴェーダ(本格インド料理)7月31日(土)■

ブックレビューを書くようになって、もう一度、ベッドサイドの本を読み直している。その中に、すっかり忘れていた不思議な絵本が出てきたので、さっそくレビューを書いてみた。
これは、続編と完結編があるので、順番に書いてみますが、とても面白い趣向なのでぜひ現物を手にとって読んでいただきたい一冊です。

人の手紙を盗み読むときの罪悪感ったら・・・。

この物語は、ロンドンに住む絵葉書作家グリフィンに寄せられた、南太平洋の小島に棲むサビーヌの一通の絵はがきから始まる。
シュールともいえる奇妙な二人の関係が暴露されているのだ。

罪悪感に暴露・・・
そう、可愛い色使いの装丁につつまれたこの絵本を語るには穏やかではない表現。この物語は単なる絵本ではなく、本にプリントされた絵葉書(表裏)や実際に貼り付けられている封筒の中味(手紙)を取り出し開いて読むのだから・・・。
それは、色あせたインクの手書きであったり、タイプで打ってあったり、しかもそのタイプ文字には間違い箇所に手書きで修正もなされているという手の込んだもの。

相手にどんどんエスカレートしてのめり込んでいくという、若かれし頃にこの私でさえ経験した、手紙独特の思い込みや感情を髣髴とさせる臨場は、危険極まりなく・・・。

シュールチックな終わり方(実際には続きがある)に、一瞬、目まいを感じたのは私だけであろうか・・・。